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書籍詳細
 
「間」と景観
〜 敷地から考える都市デザイン 〜
山田圭二郎著
B5・240頁 / 3740円
発行年月日 : 2008年5月
ISBN : 978-4-7655-1731-7
 

内容紹介
【美本ございません】 都市の計画や設計,景観を考えるときは,一度視点をおろして,人々の暮らしや家々,敷地内外の造作,その連なりのとしての町並みを観察し,それらとの関係から全体を捉え直す必要がある.本書では,対象を歴史文化が今なお息づき,複雑で洗練された京都のまちにおき、伝統的な寺院敷地と川・山などとの位置関係や,地形との関係を研究・分析しながら,自然との間のとり方を考えていく.「敷地」を媒介とし,景観を読み解くことによって,新たな都市デザインへのヒントを探ろうとする書である。
 
目次

第1章 概論

  1.1 景観研究をめぐる課題
  1.2 「敷地」という空間単位
  1.3 既往研究・文献と本書の位置づけ
  1.4 本書の構成

第2章 地名から読み解く地形の認識

  2.1 京都盆地の地形構造
    (1) 山河襟帯・京都盆地の成り立ち
    (2) 京都盆地山裾の微地形構造――段丘,扇状地
  2.2 野地名に見る京都盆地山裾の微地形構造の認識
    (1) 地名――環境認識の記号として
    (2) 山裾の微地形と「野」という地名
    (3) 京都盆地・山科盆地における野地名の分布
    (4) 地名語彙素の語源・語義から探る「野」の地形的な意味
    (5) 「野」のもつ微地形の特性
    (6) 野の多様性
  2.3 山裾の地形の認識構造
    (1) 山裾の地形認識構造――山・野・里
    (2) 山―里の両義性と山辺の多義性

第3章 敷地の占地特性とその選好

  3.1 山裾型敷地の地形学的な占地特性
    (1) 占地地形の地形学的な分類
    a. 段丘占地型
    b. 扇状地占地型
    c.崖錘占地型
    d. 山地占地型
    (2) 占地地形のプロフィール
  3.2 山裾型敷地の占地選好
    (1) 占地特性の傾向
    (2) 占地の選好と微地形環境
    a. 宗派と占地の一般的傾向
    b. 平安期別業における占地の戦略――間をとって眺める山の佇まい
    c. 占地選好の宗教的・社会的背景――浄土への想い
  3.3 山裾型敷地の景観演出と微地形利用
    (1) 参道の形成
    (2) 領域の形成
    a. 構造型領域形成
    b. 輪郭型領域形成
    (3) 池の創出
    (4) 高低差と奥行の演出
    (5) 微地形の庭園化
    (6) 見晴らし場の形成
    
第4章 敷地の構成

  4.1 敷地の構成原理
    (1) 敷地構成の多層性
    (2) 多層認識モデル
    a. 敷地の基本構成原理――「基相」
    b. 敷地構成要素の相関関係――派生する「境界相」と「領域相」
    (3) 多層認識モデルの適用――知恩院を対象として
    a. 多層認識モデルで読み解く知恩院敷地の景観特性
    b. 敷地の特性点と特性景
  4.2 敷地の分節
    (2) 各分節パタンの特徴
    a. 単一平場型
    b. 線状連結型
    c. 枝分かれ型
    d. 衛星型
    e. 塔頭街型
    f. 廻遊庭園型
  4.3 高低差のマネジメント
    (1) 結界(石垣)
    (2) 石段
    a. 直線型
    b. 折れ曲がり
    c. 勾配変化
    d. 踊り場
    e. ずらし(隅掛け)
    f. 負勾配(下り坂)
    g. 男坂・女坂
    (3) 建築
    (4) 斜面庭園
  4.4 水系のマネジメント
    (1) 敷地・都市・遣水型水路網
    (2) 坂本の町と水路網
    (3) 水路網の階層構造
    a. 水量調節と水路網の構造
    b. 水量調節の方法
    c. 分岐・環流の形式
    d. 複合利用
    (4) 水路網の高低差マネジメントと敷地
    (5) 敷地内(里坊庭園)における遣水利用
  4.5 道と結界――空間の分節と統辞の原理
    (1) 妙心寺の敷地と参道網
    (2) 参道網の序列と修辞の技法
    a. 敷石の意匠
    b. 塀の意匠
    c. 植栽の意匠
    d. 結界の意匠
    (3) 塔頭内部における道と結界の意匠
    a. 表門から建築玄関にいたる道と結界
    b. 庭園・茶室を結ぶ露地と結界
    (4) 公私を峻別する空間の作法秩序と景観の移ろい

第5章 敷地認識の多元性

  5.1 敷地認識のハイパーテキスト性
    (1) 自由連想法による意識の連関構造の分析
    a. 自由連想法
    b. 連関構造
    (2) 地誌メディアに見る連関構造
    (3) 景観認識のハイパーテキスト性とそのダイナミズム
    (4) ハイパーテキスト的空間認識論の可能性
  5.2 「人間―河川」系における間の構造
    (1) 遣水的利用
    (2) 京都を流れる四つの疏水網
    a. 明神川
    b. 泉川
    c. みそゝぎ川・高瀬川
    d. 琵琶湖疏水
    (3) 本川と派川の関係から見た疏水網の構造
    a.「賀茂川―明神川」系の疏水網
    b.「高野川―泉川」系の疏水網
    c.「鴨川―みそゝぎ川・高瀬川」系の疏水網
    d.「琵琶湖疏水」系の疏水網
    (4) 疏水の遣水的利用
    a.「賀茂川―明神川」系の疏水網
    b.「高野川―泉川」系の疏水網
    c.「鴨川―みそゝぎ川・高瀬川」系の疏水網
    d.「琵琶湖疏水」系の疏水網
    (5) 「人間―河川」系のにおける「間」の構造
    a.「本川―派川」系の階層構造――水辺を飼い馴らす
    b.「人間―河川」系における間の構造
  5.3 「人間―緑地」系における間の構造
    (1) 遠く眺め,座辺に生けどる自然
    (2) 座辺にふれ,遠く想う自然――庭園・盆栽・生花
    (3) 「人間―緑地」系の間の構造
  5.4 山と里の両義性
    (1) 山裾型敷地の占地特性と重層する「山―里」の地形的コンテクスト
    (2) 敷地構成と「山―里」の表現
    (3) 庭園における「山―里」の表現
    (4) 山辺の多義性と風流――山の気配,里の余韻
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