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書籍詳細
 
クローンのはなし
−応用と倫理をめぐって−
下村徹著
B6・210頁 / 2090円
発行年月日 : 2002年3月
ISBN : 4-7655-4432-X
 

内容紹介
「クローン」と聞いて,漠然とした不安を抱く人,拒否反応を示す人も多いのではないだろうか.しかしながら,クローン技術は決して新しい技術ではなく,すでに,われわれ人間にさまざまに貢献しているのも事実である.本書は,クローン技術やその応用としての遺伝子組換え技術に関する基礎知識と,それらに対する評価の材料とを,一般の読者向きにやさしく提供する読み物である.クローンとは何か,から始め,動物・植物双方のクローンづくりや遺伝子組換えの現状を紹介し,将来を展望するとともに,食品における安全性や医療における倫理の問題をめぐって考察を加えている.いろいろな意味で,無関心ではいられなくなりつつあるクローンの問題に,本書でぜひ触れていただきたい.
 
目次
第1章 クローンとは何か:自然界でのクローンと人為的操作によるクローン
1.自然界では無性的にクローンがつくられる
植物のクローン/動物のクローン/細菌のクローン/ウイルスのクローン
2.クローンは人為的操作によってもつくられる
ニンジン1個の細胞からのクローンづくり/動物でのクローンづくりはカエルから/最近行われているDNAのクローンづくり
3.クローン技術はバイオテクノロジーと不可分の関係にある
バイオテクノロジーの幕開け/バイオテクノロジーとクローン技術/クローン技術の進展/クローン羊「ドリー」の誕生

第2章 遺伝子とは何か:クローン技術にかかわる遺伝子の仕組みと働き
1.DNAは自分のコピーをつくりタンパク質をつくる
2.遺伝子として働いているのはDNAのごく一部
3.DNAは染色体を構成している
4.染色体以外の部位で働くDNAもある
5.遺伝子は生物の進化にどのようにかかわってきたか
6.性は生物の進化の過程で生まれた
7.遺伝子のクローンもつくられている
8.ゲノムを解析して医療や産業に役立てる

第3章 植物でのクローンづくり:クローン植物はどのように利用されているか
1.クローン増殖を必要とする理由は何か
2.クローン技術を支える組織・細胞培養技術
3.組織培養によって植物のクローンをつくる
4.クローン技術を育種に利用する
5.細胞融合植物のクローンをつくる
6.遺伝子組換え植物のクローンをつくる

第4章 動物でのクローンづくり:クローン動物はどのように利用されているか
1.クローン増殖を行った場合の利点は何か
2.クローン技術を支える基礎的技術
3.胚を操作して動物のクローンをつくる
4.核移植によって動物のクローンをつくる
5.遺伝子組換え動物のクローンをつくる
6.染色体を操作して雌の魚のクローンをつくる

第5章 クローン技術の医薬と医療への応用:クローン技術は医薬品生産と医療でどのように利用されているか
1.クローン技術を利用して医薬品を生産する
植物の細胞培養で医薬品などを生産/遺伝子組換え植物で医薬品などを生産/動物の細胞培養で医薬品を生産/病気の診断や治療に利用されるモノクローナル抗体/動物工場での医薬品の生産
2.クローン技術を医療に利用する
動物の臓器を移植用として利用する試み/ヒトの遺伝子疾患モデル動物としての利用/遺伝子治療への利用

第6章 クローン技術の倫理的課題:新しい技術に対しては新しい倫理が求められる
1.遺伝子組換え食品の安全性を考える
遺伝子組換え食品とは/安全性はどのようにして評価されるか/食品としての安全性はどうか/導入遺伝子が生態系へ与える影響はどうか/安全性に疑問を投げかけた2つの事件/遺伝子組換え作物のメリットは何か/安全性をどう考えるか/遺伝子組換え食品の表示
2.クローン技術の医療への応用の是非を考える
クローン人間論争/クローン人間はつくれるのか/クローン技術に対する各国の対応/生殖医療技術における飛躍的進歩/生殖医療への応用の可能性/万能細胞と呼ばれるES細胞/ES細胞を医療に利用する/ES細胞研究に対する各国の対応/ES細胞以外の幹細胞を医療に利用する/オーダーメイド医療と遺伝子診断/遺伝子診断で得られた情報/出生前診断の是非/新しい医療には新しい倫理を
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