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書籍詳細
 
河川汽水域
−その環境特性と生態系の保全・再生−
楠田哲也・山本晃一監修/河川環境管理財団編
A5・366頁 / 5060円
発行年月日 : 2008年6月
ISBN : 978-4-7655-3429-1
 

内容紹介
『河川法』,『海岸法』の環境条項の追加,『自然再生法』の施行等,法制度の整備は進みつつある。だが,汽水感潮域や沿岸域では,環境保持,生態系保全が本格的に扱われるには至っていないのが実情である。法制度の不十分さと,自然科学現象解明の不十分さがその理由といえよう。しかし,河川汽水域は,生物多様性の確保,食糧の保障の点でも重要な空間であり,この生物生産の場の保全・再生は緊喫の課題である。本書は,河川生態学,水環境学,応用生態学,河川工学に関わる学生,実務者,技術者,研究者,行政官の格好の参考書である。
 
目次
第1章 序論
 1.1 本書の目的と適用範囲
 1.2 本書で対象とする河川汽水域の範囲

第2章 日本における河川汽水域の変遷と現状
 2.1 日本における河川汽水域の変遷
 2.2 日本で生じている河川汽水域の問題

第3章 河川汽水域の環境特性とそこで生じている現象の概説
 3.1 物理・化学環境の特徴
 3.2 河川汽水域生物環境の特徴
 3.3 河川汽水域の特性を支配する外的要因
 3.4 河川汽水域の空間階層構造と現象を支配する要素間の相互連関性
 3.5 河川汽水域で生じる現象から見た河川汽水域の大分類

第4章 河川汽水域における物理環境とその変動
 4.1 河川汽水域の地形形態とその変動要因
 4.2 緩流河川汽水域の流水と土砂動態
 4.3 河口周辺沿岸域の堆積物と地形変化

第5章 河川汽水域における化学的環境とその変動
 5.1 河川汽水域における水質環境とその変動
 5.2 河川汽水域における底質環境とその変動
 5.3 生物的作用による河川汽水域の化学的環境の改変
 5.4 河川汽水域における有機物・栄養塩収支

第6章 汽水域の生物
 6.1 河川汽水域内の生物の生息・生育を規定する因子と生物種
 6.2 空間スケールの階層性に基づくハビタット類型
 6.3 異なった空間スケールを用いた生物分布の把握事例
 6.4 動物の生活史段階におけるハビタット利用
 6.5 底生動物の分布に与える植物の影響
 6.6 安定同位体比解析による食物網構造の推定

第7章 自然的攪乱・人為的作用による河川汽水域環境の応答
 7.1 汽水域環境に影響を及ぼす自然的攪乱・人為的作用
 7.2 自然的攪乱(大洪水)
 7.3 流入水質の変化
 7.4 地形改変
 7.5 流況改変
 7.6 供給土砂量の減少
 7.7 河川・海岸構造物の建設
 7.8 地盤沈下
 7.9 船舶の航走

第8章 河川汽水域生態系変化の分析と予測
 8.1 分析・予測の必要性と手順
 8.2 分析・予測とモデル化
 8.3 水理・地形のシュミレーションモデルとその構成
 8.4 汽水域化学環境動態モデルについて
 8.5 生物の環境変化に対する応答予測モデルに向けて

第9章 河川汽水域生態系の保全・再生・管理
 9.1 河川汽水域生態系の保全・再生の意義と課題
 9.2 技術行為としての制御対象
 9.3 再生の方向
 9.4 河川汽水域環境再生事業の評価手法
 9.5 今後の課題
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