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書籍詳細
 
未来の景を育てる挑戦
−地域づくりと文化的景観の保全−
日本建築学会編
A5・208頁 / 2860円
発行年月日 : 2011年8月
ISBN : 978-4-7655-2553-4
 

内容紹介
文化的景観とは,人間と自然との相互作用によって生み出された景観のことを指すが,日本では,2005年に文化財保護法が改正され,文化的景観に関する規定が盛り込まれた。本書は,国内外の代表的な事例を紹介するとともに,保全活動の課題と地域づくりへの論点をまとめた。
 
目次
はじめに(序)

第T部 事例編

 事例編の読み方

 01 中標津:丘陵地に広がる開拓農地格子状防風林と河畔林の複層システム
 02 平取:アイヌ民族の伝統を基層とする沙流川流域民族文化と開拓の空間が流域地形を住み分ける
 03 遠野:生業と伝承される精神世界が連動する盆地の里山と里をむすぶ「馬」のものがたりが現れる風景
 04 能登:海辺に立地する震災復興仮設住宅地間垣のある集落のかたちを映す仮住まい
 05 近江八幡円山:琵琶湖につながる水郷集落内湖・ヨシ原・水田をつなぐ水と共生する文化
 06 海津:琵琶湖湖岸の街道集落水陸交流路の生活を守る波よけ石積み
 07 日根荘大木・土丸:河岸段丘地形に残る中世中世から現代が融合した人間味あふれる近郊農村
 08 浜寺:白砂青松のイメージをつなぐ開発市街地都市計画がつくった海浜の郊外住宅地
 09 宇治:茶産業がつくったまち茶文化と歴史が積層する都市の景観
 10 東播磨:水を求め続けた歴史と農業土木技術がつくり出した水環境いなみ野のため池群と水利用のしくみ
 11 高野山:高野山の周辺集落と森林森林の自然環境から風景をよむ
 12 紀伊山地:山岳地帯の霊場をつなぐ参詣道紀伊山地に生きる語り部に聞く古道の風景
 13 石見銀山:自然と人の共存の知恵を伝える鉱山遺産人づくり・まちづくりの取り組みが文化的価値を物語る
 14 遊子水荷浦:日々の手入れが生み出す石積み段畑のある漁村耕して天に至る段畑と海に生きる
 15 田染荘小崎:荘園の風景を受け継ぐ国東半島の農耕地都市・農村交流が拓く里の文化
 16 五島:生きている宗教遺産としての文化的景観五島列島の文化的景観
 17 ボロブドゥール:ケドゥ平野と山々のパノラマが広がる聖地住民が掘り起こす5Mountainsの大景観
 18 オルチア川流域:丘陵地に広がる防衛システムと農村景観地場産業の構造強化と環境保護を両立する地域づくり
 19 ニーダラウジッツ:鉱工業遺産を創造的に活用した環境再生露天掘り褐炭採掘が残した巨大な穴と鉱山機械
 20 セントへレンズ:産業遺産と環境再生による地域づくりと景観形成グランドワークトラストによる産業遺産の環境再生

第U部 論説編

 論説編の読み方

 第1章 集落の営みと文化的景観の保全―風景の成り立ちの見方―
  1.1 景観の楽しみ方―風土に織り込まれた歴史を読み解く―『遠野物語』の主舞台となった山口集落における景観―
  1.2 いなみ野のため池と集落―見えないしくみ―
  1.3 中標津の風景の成り立ちと育てる仲間
  1.4 心象風景から明日香村を見る―生活者の見いだす風景とその活かし方―

 第2章 Authentic Transformation―風景の変容と持続の原理―
  2.1 都市の変容における本質性の保全―都市の文化的景観とは何か―
  2.2 文化的景観の重層的な価値とその継承―熊野古道に見る景観保全への地域づくりアプローチ―
  2.3 昆虫が教えてくれる風景の原理

 第3章 文化的景観にかかわる人と主体―育てる挑戦―
  3.1 学びの場としての文化的景観―小学生と大学生による棚田景観再現プロジェクト―
  3.2 生きている宗教遺産としての文化的景観―九州離島のキリスト教系集落―
  3.3 農山漁村にみる交流の情景と景観育成―安心院グリーンツーリズムなどを事例として―

 おわりに

 執筆・編集について

 農山漁村文化景観小委員会 活動記録
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